家具の材質のひとつに「無垢材」がありますが、正直言うと「無垢材とは何なのか?」よく分からないという人もいるでしょう。
そこでこの記事では無垢材について紹介していきます。無垢材とは何なのか、家具に無垢材を使うメリットやデメリット、手入れ方法などを紹介するので参考にしてみてくださいね。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E6%9C%A8%E6%9D%90-%E6%9D%AD-%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3-%E6%9C%A8%E9%80%A0-877368/)
無垢材とは?自然な木のぬくもりが特徴!

ここでは、無垢材の意味について紹介していきます。そもそも「無垢」という言葉は、仏教用語で「けがれや、まじりけがないこと」を意味します。
そして、無垢材(むくざい)は、加工されていない切り出したままの木材のことをいいます。一般的に売られている家具に使われている木材は、バラバラに切った木を圧縮したり貼りなおしたりしたものが多いです。
このように、一度切った木を張りなおしている木材を、「集合材」と呼びます。
無垢材は、傷や汚れには少し弱いですが、自然のままの木目や木のぬくもりを感じることができるのが特徴です。次章以降で、さらにその特徴を深掘りしていきましょう。
無垢材を家具に使うメリットとは?

家具には色々な材質を使いますが、無垢材を使った家具はどんな特徴があるのでしょうか?ここでは、無垢材を家具に使うメリットを紹介していきます。メリットは全部で3つあります。
木目が楽しめる
無垢材は自然のままの木なので、木目をしっかりと見ることができます。自然の木目からはあたたかさが感じられますし、心が落ち着くので家具の材質として人気が高いんですよ。
また、仕上げ方法にもよりますが、手触りや香りが良いのも無垢材ならではの特徴でしょう。仕上げ方法については後ほど紹介していきます。
経年変化を楽しめる
自然のままの木なので、時間が経つにつれて変化していきます。もちろん、集合材やプラスチック素材などでも時間が経つことで変化しますが、集合材やプラスチック素材の場合は単純に劣化していくだけです。
しかし、無垢材は時間が経てばたつほど味が出て深みがでてきます。無垢材も劣化はしますが、時間の経過よって深みが出るのは無垢材の強みと言えるでしょう。
部屋の温度・湿度を調整してくれる
無垢材は部屋に置いておくと、温度や湿度を調節してくれるんです。夏でも冬でも快適に過ごしやすい部屋になりますよ。
次章では、無垢材を家具に使うデメリットについて紹介していきます。メリットと併せて確認しておいてくださいね。
無垢材を家具に使うデメリットとは?

ここでは、無垢材を家具に使うデメリットを紹介していきます。デメリットは全部で4つあります。
ゆがむ可能性がある
前章で無垢材は湿度の調節をしていると書きましたが、あまりに湿度が高すぎたり低すぎたり、変化が激しすぎたりすると、無垢材がゆがんでしまう可能性があります。
無垢材が湿度を調節する時には、見るだけではなかなかわかりませんが、湿度を吸収すると膨張して逆に放出する時は収縮しています。
そのため、あまりに湿度の変化が大きすぎるとゆがんでしまうのです。梅雨や真夏のジメジメした日は、空調を入れるなどして対策してあげましょう。
水や汚れに弱い
木は水を吸収する性質があるので、自然のままの状態である無垢材は水に弱いです。飲み物の入ったコップなどを置いていると、結露した水滴でシミができてしまうこともあります。
水と同様に汚れもつきやすく、シミになりやすいので注意が必要です。
なるべく汚れが付かないように使う方法は記事の後半で紹介していくので参考にしてみてくださいね。
傷がつきやすい
木はプラスチック素材や鉄素材などと比べて柔らかいため、傷やへこみがつきやすいです。衝撃を与えないように注意が必要です。
重い
自然の木をそのまま使っている無垢材はとても重たく、移動が大変です。そのため、引っ越しをよくする人や、一人暮らしの人には不向きです。
次章では、無垢材と集合材のどちらが良いのかについて、書いていきます。
結局どっちがいいの?無垢材とは集合材と対になるもの!

ここまでの紹介で、無垢材が魅力的に感じている人もいるかもしれませんが、なんでもかんでも無垢材が良いという訳ではありません。
デメリットのところで書いたように、無垢材は傷や汚れなどに弱いです。だからこそ、ペットがいたり小さなお子さんがいたりする家庭では、無垢材はあまり向きません。
ただ、旅館やホテルのようなお洒落な雰囲気の部屋にしたい場合や、自然のものに囲まれる生活がしたい人などには無垢材がおすすめです。
自分の生活スタイルや、目指したい部屋の雰囲気などを考慮して家具の材質を決めてみてくださいね。
家具によく使われる無垢材の種類とは?

無垢材と一口に言っても、木の種類はたくさんあります。ここでは、家具によく使われる無垢材の種類を紹介していきます。
まず、ざっくり2つに分けると、針葉樹と広葉樹の2つがあります。針葉樹は木目がまっすぐで、木の中でも少し柔らかく軽いのが特徴です。対して広葉樹は、重くてかたく、丈夫であるのが特徴です。
針葉樹と広葉樹の違いを踏まえて、家具によく使われる無垢材を3つ紹介していきます。

パイン材
パイン材は、松の木を使った木材のことです。松の木は針葉樹なので、やわらかい上に軽いのが特徴です。加工がしやすいので、DIYの材料としても良く使われています。
色は白っぽい黄色といった感じで、カントリー調の明るい雰囲気がよく似合います。ただ、松の木は油分が多く、経年でつやが出てどっしりとした雰囲気へと変わっていくので、注意してくださいね。

ウォールナット材
ウォールナット材は、クルミの仲間であるブラックウォールナットという木を使った木材です。広葉樹なので、重厚な雰囲気を持ち、傷や衝撃に強いのが特徴です。
丈夫な木材なので、家具だけでなく建築にも使われているんですよ。油分も適度に含まれているため、経年変化が綺麗で高級感があることから、高級家具に使われることもあります。
色味としては黒っぽく、どっしりとした雰囲気があります。それもそれでかっこいいのですが、あまり重たい雰囲気やかたい雰囲気にしたくない人は、ファブリック(布地)がある家具と合わせるといいでしょう。

チーク材
チーク材は、シソ科の広葉樹を使った木材です。油分を多く含んでいるので水に強く、昔は船を作る際にも使われたことがあるほどです。
無垢材は湿気によって膨張したり収縮したりしますが、チーク材はその伸縮が少ないため、ゆがみが起きにくいとされています。かたく丈夫なため、家具にも良く使われる木材です。
色はかなり黒っぽい茶色で油分を含んでいるため、飴色という表現がしっくりきます。つややかで高級感ある部屋にしたい人におすすめです。

無垢材を使った家具の仕上げ方法による違い

無垢材を家具にするときには、汚れなどに強くするために表面をコーティングしますが、その仕上げ方法には種類があります。仕上げ方法によって汚れなどへの耐性や、肌触りなどが変動するんですよ。
代表的な仕上げ方法である「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」の特徴を表にまとめておくので、自分の好みや生活スタイルに合った仕上げ方法はどっちか考えてみてくださいね。
特徴 | |
オイル仕上げ | オイルを刷り込んで仕上げる。木の質感を損なわないのが特徴。 |
ウレタン塗装 | ウレタンで表面を塗装する。つやがあり、汚れに強いのが特徴。 |
仕上げ方法によって、同じ無垢材と言っても性質が変わってくるのが分かりましたね。次章では、無垢材の家具を実際に使っていくうえで気を付けることを書いていきます。
仕上げ方法によっても気を付ける度合いが変わってくるので、仕上げ方法による違いも意識しながら読んでいただけると幸いです。
無垢材の家具を使う上で気を付けること

ここでは、無垢材の家具を使う上で気を付けること3つを書いていきます。無垢材の家具を使い始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないように、確認しておいてくださいね。
湿度に気を付ける
無垢材は部屋の湿度を調節してくれる嬉しいメリットもありますが、あまりに湿度が高すぎたり低すぎたりすると、ひび割れやゆがみ、カビの原因となります。
乾燥した冬やジメジメした真夏や梅雨の時期は、空調を入れて湿度を調節してあげてください。また、風の通り道ができるように家具を配置することも大事です。
壁際に置くのであれば、壁よりも少し離しておくことで、風が通りやすくなって湿度の影響を抑えることができますよ。
汚れや水分に気を付ける
無垢材は汚れや水分に弱く、すぐにシミになってしまいます。特にテーブルでは、飲み物が入ったコップを置くと、コップの表面が結露してシミになることもあります。
コースターやテーブルマットを使うなどして、汚れや水分から守ってあげましょう。ウレタン塗装の場合は比較的水分に強いので、そこまで神経質になる必要はありませんよ。

引きずらないようにする
無垢材の家具は重たいため、掃除などで移動する際についつい引きずってしまいたくなるかもしれません。しかし、引きずる行為は家具も床も傷つける原因となるので絶対にしないでくださいね。
もし引きずらないと移動ができない場合は、やわらかい布を家具の下に敷くと傷を付けずに動かすことができますよ。
ここでは、汚れや傷などを予防するための方法を書いてきましたが、次章では無垢材を使った家具の手入れ方法について紹介していきます。
無垢材が使われている家具の手入れ方法とは?

ここでは、無垢材を使った家具の手入れ方法について紹介していきます。仕上げ方法によって手入れ方法が変わってくるので、オイル仕上げとウレタン塗装に分けて解説しますね。
オイル仕上げの手入れ方法
オイル仕上げの場合、水分に弱いので濡れぶきはしないでください。基本的に乾拭きでほこりを払う程度にとどめます。
また、オイル仕上げの場合は定期的にオイルを染み込ませてあげる必要があります。3~4か月に一度、オイルを塗って木を保湿してあげてください。
木の色が日焼けなどで変わってしまった場合でも、オイル仕上げの場合は簡単な材料を揃えれば自分で修理することも可能です。
ウレタン塗装
ウレタン塗装も普段は乾拭きでほこりを落とす程度で大丈夫です。汚れがひどいときは、固く絞ったやわらかい布で濡れぶきするか、それでも落ちない時は中性洗剤を含ませて固く絞った布で拭いてください。
中長期的な特別な手入れは必要ありません。ただ、塗装がはがれるようなひどい汚れや傷は、自分で修理することができませんので、業者に頼みましょう。

無垢材の家具がおすすめな人

ここまで無垢材についていろいろと紹介してきました。まだ、自分に無垢材があっているか分からないという人もいるかもしれませんね。ここでは、無垢材の家具がおすすめな人を紹介します。
無垢材の良さは何といっても木のぬくもりが感じられることです。自然の木が好きで、木目がはっきり見えるものが良い人におすすめです。
「汚ごしちゃいそうで怖いな」という人は、書斎の机やソファなど、飲食をせずに使える場所の家具にすれば大丈夫ですよ。テーブルであればすでに伝えた通り、マットを使えば傷をかなり防げます。
また、ウレタン塗装は木の質感は損なってしまいますが、汚れや水分にはかなり強くなります。手入れがネックだという人は、ウレタン塗装の無垢材をおすすめします。
まとめ
無垢材について、メリット・デメリットや使われる木の種類、手入れ方法などを紹介してきました。自分にとって無垢材が向いているかどうかわかったかと思います。
無垢材を使った家具と言っても種類がたくさんあるので、あとは実際にデザインや価格などを見てイメージをさらに深めるといいでしょう。
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