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ヌバックとは?手入れ方法からスエード・ベロアとの違いも解説します

革の種類である「ヌバック」とは、どんな革なのでしょうか?よく聞く言葉ではあっても、実際にどんな革なのか具体的に分からないという人も多いでしょう。

そこで、この記事ではヌバックがどんな革なのか紹介していきます。間違えやすい「スエード」や「ベロア」との違いについても解説していくので、参考にしてみてくださいね。

(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E9%9D%A9-%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%83%B3-%E8%A1%A3%E6%96%99%E5%93%81-%E8%83%8C%E6%99%AF-768245/#content)

ヌバックとは

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ヌバックとは、牛革や豚革などの表側をヤスリで擦って毛を立たせた革のことです。元々は牡鹿(おじか:オスの鹿)の革のことを指す言葉でしたが、現代では表面を起毛させた革のことも意味します。

牡鹿の革は傷が多く、見栄えをよくするために起毛することがほとんどだったため、起毛した革のことをヌバックと呼ぶようになったのです。

革の種類はどんなものでも起毛させればヌバックと呼ばれますが、牛革が主に使われています。そのため、ヌバックは起毛した革の中でも高価な部類です。起毛した革の種類は後ほど紹介します。

ヌバックは革の表側を起毛させますが、裏側を起毛させる種類もあるんです。次章では、革の裏表について紹介していきます。

ヌバックは表面を加工する!革の裏表とは?

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革には裏表があり、それぞれ手触りが違います。起毛する時もどちらを起毛させるかによって、手触りが全く異なってくるんですよ。

革の表側は、動物の身体の外側に面していた側で、「銀面」と呼ばれています。それに対して、裏側は、「床面」と呼ばれています。

革製品の多くはこの銀面を活かして作られており、それぞれの動物特有である模様が特徴です。逆に床面は、少し毛羽立っていてさらさらとした肌触りが特徴です。次章では、ヌバックの特徴を3つ紹介していきます。

ヌバックの特徴とは?

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ここでは、ヌバックの特徴3つを紹介していきます。ヌバックの魅力的なポイントを見逃さないでくださいね。

経年変化が綺麗

ヌバックは革の表面を起毛させていますが、時間が経つと毛がだんだんと寝ていきます。そして、表面が滑らかになって色が深くなり、光沢が出てきます。

普通の革製品でも使い込むと色味が深くなり、光沢が出ますが、ヌバックは起毛しているのでさらに奥深い味わいが出るのが特徴です。

手触りが良い

ヌバックは起毛しているため、普通の革製品とはまた違った手触りが楽しめます。人によっては普通の革製品の手触りが良いという人もいますが、さらさらとして柔らかいヌバックの手触りは癖になりますよ。

高級感がある

ヌバックの柔らかな手触りやマットな質感は高級感があり、高級家具に使われることもあります。上品なヌバックを使った家具は、部屋の雰囲気を落ち着いたものにしてくれますよ。

次章では、ヌバックの中でも特に高級感のあるオイルヌバックを紹介していきます。

ヌバックの中でも高級なオイルヌバックとは?

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オイルヌバックとは、ヌバックに特殊な技術を使ってオイルを染み込ませた革のことです。オイルを染み込ませることで、よりしっとりとした手触りと光沢を生み出します。

よりオイルヌバックについて知ってもらうために、オイルヌバックの特徴2つ紹介します。

経年変化が早い

オイルヌバックは、ヌバックよりも油分が多いため、経年変化が早く進みます。じっくり革を育てるのも楽しいかもしれませんが、変化が遅いとどんなふうに変化しているのか実感しにくいですよね。

オイルヌバックであれば、経年変化が早いので革を育てていることを実感できますよ。革の変化を実感して楽しみたい人におすすめです。

丈夫で傷が目立たない

オイルヌバックはオイルで守られているので、水分や傷に強いです。その耐久性はアウトドア用品に使われることもあるほどです。

革製品は水分や傷に弱く、気を付けて使わなければいけなくて大変だというイメージがある人もいるかもしれません。しかし、オイルヌバックならそんな心配はありませんよ。

次章では、ヌバックと間違えやすい革の種類を紹介します。どんなふうに違うのか、まとめて覚えてしまいましょう。

ヌバックと間違えやすい革の種類とは?

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ここでは、ヌバックと間違えやすい「スエード」「ベロア」「バックスキン」の3つを紹介していきます。関連したものと一緒に覚えることで、記憶に残りやすくなりますよ。

スエード

スエードは、豚革や牛革の床面を起毛させた革のことです。ヌバックは銀面を起毛させますが、スエードは床面を起毛させるという違いがあります。

ヌバックよりもスエードの方が薄く削るため、耐久性が低いです。

また、ヌバックは主に牛革が使われますが、スエードは豚革が使われることが多いのも違いです。

ベロア

ベロアは、スエードの中でも毛足が長く、よりやわらかい質感を持ったものを言います。ただ、スエードは豚革が使われることが多いですが、ベロアは主に牛革が使われるという違いがあります。

バックスキン

バックスキンは、海外では牡鹿の革という意味で使われます。記事の冒頭で紹介したように、ヌバックがもともと牡鹿の革を意味していましたが、牛革などの起毛した革のことも指すようになりました。

そのため、牡鹿の革を区別して呼ぶためにバックスキンという言葉が使われています。ただ、日本においては起毛した革の総称として使われています。

つまり、ヌバックもスエードもベロアも全部まとめてバックスキンと呼んでいるんです。日本と海外で使われ方が違うので、海外ブランドの家具を買う時などは注意が必要です。

次章では、ヌバックの家具を使う時の注意点を紹介していきます。手入れができないとせっかくの革も台無しになってしまいます。そうならないためにも、確認しておいてくださいね。

ヌバック・スエード・ベロアの比較

比較しやすいよう、ヌベック・スエード・ベロアの革の特徴を一覧で紹介します。

革の種類 加工部分 特徴
ヌバック 牛革がメイン 銀面(表)
  • 薄い
  • 発色がいい
スエード 豚革 床面(裏)
  • なめらかな質感
  • 若干の光沢あり
ベロア 牛革 床面(裏)
  • 厚みがある
  • 毛足が長い

ヌバックの家具を使う時の注意点

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ここからは、ヌバックの家具を使う時の注意点を紹介していきます。ヌバックの家具を使う時の注意点は全部で5つあります。

水分は厳禁

ヌバックに限らず、革製品は原則的に水分に触れないようにすることがとても大事です。水分に触れてしまうと革にシミがついてしまうからです。

オイルヌバックのように、革の仕上げ方法によっては水分に強いものもありますが、基本的に革は水分に弱いので注意してくださいね。

湿気にも注意

水分はもちろんですが、湿気にも気を付けてください。革は布と比べると通気性が低く、湿気の多い場所にあるとカビが発生してしまいます。逆に湿度が低く、革が乾いてしまうとひび割れの原因にもなります。

冬の乾燥した日や梅雨のじめじめした日は、空調を入れて湿度を一定に保つようにしましょう。

日光に当てない

革製品は日光にあたると、日焼けをして色味が変化してしまいます。また、革も紫外線によって劣化してひび割れしやすくなるため、日の当たる窓辺には置かないようにしてください。

もし、窓辺に置くのであれば、紫外線をカットできる遮光カーテンを使って革を守ってあげてくださいね。

摩擦や衝撃は与えない

革は摩擦や衝撃が加わると、色移り(革の色が移る、触れたものの色が革に移る)や、傷の原因となります。きれいに使うためにも、革製品には優しく触れるようにしてくださいね。

手入れをこまめにする

革は布とは違って洗濯することができません。専用のクリーナーを使えば洗浄もできますが、洗浄は革にダメージを与えるきっかけになるため、最低限にとどめたいものです。

上記のことに気を付けながら、こまめに手入れをしていれば大きな汚れはつかないので、洗浄の回数を減らして革を長く愛用することができますよ。

次章以降で、ヌバックの手入れ方法について紹介していきます。ヌバックをきれいに長く使うためにも、確認しておいてくださいね。

ヌバックを使った家具の手入れ①普段の手入れ

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ヌバックの毛並みはだんだんと寝てしまいます。毛並みが寝ることで経年変化もしますが、毛並みがぐちゃぐちゃのまま寝てしまうと経年変化も美しくありません。

また、毛の間に汚れやホコリが付着しやすく、汚れてしまうと革の傷みに繋がるため早めに落とす必要があります。ヌバックについた汚れやホコリを取り除くために、こまめにブラッシングをしましょう。

ブラシは、ゴム製、馬毛製、豚毛製など様々ありますが、ヌバックの状態によって合うものを選ぶようにしてください。

ゴム製、馬毛製、豚毛製の順番で毛がやわらかいので、軽い汚れの時はゴム製、ホコリがたくさんついている時は馬毛製を使うといいでしょう。毛が寝てしまった時は豚毛製でしっかりと毛を起こすようにします。

ヌバックを使った家具の手入れ②汚れた時の手入れ

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「細心の注意を払いながら使って、手入れもしていたけど、汚れてしまった」という時は専用のクリーナーを使って汚れを落としましょう。

ヌバックの場合、普通の革製品用のクリーナーでは革が傷つくので、「ヌバック用」「起毛革用」と書かれたものを使用してくださいね。

スプレーしてブラッシングするものや、消しゴムのように汚れを落とすものなど、クリーナーによって使い方が違うので、細かい手入れの仕方はクリーナーの説明書で確認するようにしてください。

また、汚れを落とした後は革を保護するプロテクターを使い、ブラッシングで毛並みを整えることも忘れないでくださいね。

ヌバックを使った家具の手入れは業者に頼むのも手

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前章まででヌバックの手入れ方法を紹介しましたが、椅子やソファなどの面積が大きい家具はなかなか手入れが大変ですよね。

また、ちょっと手入れをさぼってしまったり、落ちにくい汚れが付いてしまったりした時も、自分で手入れをするのはなかなか大変でしょう。

そういう時は、手入れを業者に頼むことをおすすめします。革のプロにお願いするほうが綺麗に仕上がるからです。もちろん、自分で手入れをすると愛着が湧くのでどちらが良いという訳ではありません。

高級家具の場合、買ったお店やブランドで手入れや修理の相談を受けてくれることもあります。購入する際に、そういったアフターサービスがあるかどうか確認しておくといいでしょう。

ヌバックの特徴・手入れ方法まとめ

ヌバックについて、特徴や間違えやすいスエードなどとの違い、手入れ方法などを紹介してきました。ヌバックは経年変化が綺麗で高級感あふれる、革好きにはたまらない革です。

起毛革なので手入れが普通の革製品よりも少し大変ですが、革を育てることが好きな人にはそれも嬉しいポイントですよね。

また、家具で使われている場合はお店やブランドが手入れのサービスをしてくれる場合もありますし、家具の修理業者は日本全国にあるので、プロの力を借りるのもいいでしょう。

自分に合った方法でしっかり手入れをして、ヌバックを長くきれいに愛用してみてください。

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あっしー
SEOライター。旅行、金融、インテリアに関するメディアで執筆しています。読者の視点に立った丁寧な記事作りを得意としており、SEOライティングでGoogle検索順位10位以内を多数獲得。「ハートは熱く、頭はクールに」「悪あがき上等」がモットー。あっしーという名だが、いわゆる「アッシー君」ではない。車は助手席に乗っているほうが好き。
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