「タモ材」という言葉を聞いて「他の木材とは何が違うのだろう?」と思ったことはありませんか?
木材の中でも特に日本人に親しまれているタモ材の特徴を、6つのメリットと2つのデメリットをもとに解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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タモとは?

国産の木材として日本人に親しみのある木の一つにタモの木があります。
タモはモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹であり、湿地などの湿り気の多い谷地に生えています。
木材として使用されるのはヤモダチと呼ばれる種類で、ホワイトオーク材やナラ材とよく似ているとされ、昔から多くの家具に使われてきました。
タモの語源は諸説ありますが、折ることが難しほど強靭な性質から「たわむ」が転じて「タモ」になったという説があり、家具としてしっかりとした作りにすることができます。
タモ材のメリットとは①:折れずにたわむ性質
タモ材の一番の特徴は、前の見出しでお話しした通り、名前の由来ともなっている「折ることが難しいほど強靭な「たわむ」という性質」にあると言えるでしょう。
粘りがあり非常に強靭なその性質から、テーブルやタンスなどの様々な家具やフローリングで使われています。
家具やフローリングのほかにも、楽器や建築資材、車両材、スポーツのラケットやバットなど様々な用途で使用されています。
タモ材のメリットとは②:味のある木目

タモ材は他の木材と比べて、木目が比較的はっきりと表れる木材の一種であるとされています。
木材の根元から先端まで、深く均一に木目が取れる上に、まっすぐに伸びて木口も丸い為、大きな素材をとることができます。
つまり、ダイニングテーブルをはじめとする広い面積を要する家具でも、一枚板で木目の美しさを存分に味わうことのできる仕上がりにしてくれるのが、タモ材の特徴なのです。
タモ材のメリットとは③:美しい色
色についても先ほど軽くお話ししていますが、ホワイトオーク材やナラ材とよく似ている白い色をしています。
もう少し正確に言うと、木の幹のあたりの辺材部分は淡くて美しい白い色で、中心部の心材部分は少しくすんだ褐色をしています。
この、美しい白い色から褐色までのグラデーションが、家具により深い味わいを出しているとされ、人気があるのです。
さらに、この白く明るい色合いが和風から洋風まで幅広くマッチするのもタモ材の特徴と言われています。
タモ材のメリットとは④:硬くて頑丈
先ほど、折ることが難しほど強靭な性質でたわむ木材だと紹介しました。
そう聞いて「例えば、椅子に使ったときにたわんだり、沈んでしまったりしては困る」と感じた方も中にはいらっしゃるかもしれません。
このタモ材は、粘り気や弾力があるだけではなく、硬い素材であると言われています。
そのため、タモ材を使って作られた家具やフローリングは頑丈で、長持ちすると言われているので安心してください。
タモ材のメリットとは⑤:肌触りが滑らか
椅子やテーブルなどの家具やフローリングは、肌に触れることが多いので、特に肌触りにはこだわりたいですよね。
あくまでも塗装や仕上げの方法、タモの木の種類によって肌触りが変化してしまうので一概には言えませんが、一般的にタモ材は他の木材より、比較的滑らかな肌触りをしていると言われています。
とはいえ、肌触りは好みがあるので、実際にお店に行って肌触りを確かめることが大切ですね。
タモ材のメリットとは⑥:衝撃を吸収する
これも、たわむほどの強靭な性質からくるものだと思われますが、タモ材は衝撃の吸収力が非常に高いと言われています。
衝撃の吸収力が大きく注目されているため、様々なスポーツ用品で多く採用されています。
上記のテニスラケットやバットの他にも、スキー板やボートのオール、ホッケーのスティックなどに使用され、スポーツ界では必需品の木材ですね。
これを私たちの生活に置き換えると、足元のフローリングに使うことで、足腰に負担をかけないやさしい床で生活することができるわけです。
タモ材のデメリットとは①:加工がしにくい

上記であげた「硬くて丈夫」というメリットですが、これが反面、硬くて丈夫ゆえに加工がしにくいとも言われています。
また、細かな模様を掘ることも難しいとされているため、シンプルな仕上がりの家具やアイテムに使われることがほとんどです。
これをポジティブに捉えると、大きな一枚板を使った家具が多いということになります。大きな一枚板のデスクはインテリアにインパクトを与え、部屋のシンボルとして活躍してくれることでしょう。
タモ材のデメリットとは②:価格が比較的高い
数年前までは、価格がそこまで高くないとされていたのですが、ここ数年では流通が減少傾向にあり、価格が高騰しています。
タモ材は、国産以外ではロシアから輸入されて使われることが多いのですが、現在はロシアからの輸入制限がかかっていて、日本に入ってくる量が減っているためです。
世間一般では、今後もさらなる高騰が予測されているため、タモ材でできた家具の購入を検討している場合は早めに判断した方がいいでしょう。
まとめ
今回は、木材の中でも特に日本人に親しまれているタモ材のメリットを6つと、デメリットを2つ解説してきました。
名前の由来になっている強靭なたわむ性質を生かして、家具やフローリング、スポーツ用品など様々な用途で使用されていることがおわかりいただけたと思います。
ただ、このタモ材の難点は、数年前からの価格高騰があげられますので、よく検討の上、さらなる高騰が来る前に購入することをオススメします。