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400年前の人類も枕を使ってた!?良質な眠りを生み出す寝具をご紹介

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「睡眠はこだわった方が良い」「人生の1/3を占めるモノだから」「良い睡眠は人生を豊かにする」…このような話を耳にしたことはあると思います。

しかし、何故こだわった方が良いのか、どのような寝具が良いのか、など詳しいことを知らず、中々行動に移せない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「睡眠の仕組み」「良睡眠を阻害する3つの要素」、そして「良質な睡眠をとるための寝具」についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

良質な睡眠から得られるメリット

睡眠から得られるメリットは多く、活動中よりも身体・精神に与える影響が多いとも言われています。

どのようなメリットがあるのか、一つずつご紹介していきますね。

身体の疲労回復

周知ではあると思いますが、睡眠は身体を休ませる効果があります。

起きている時は交感神経が優位な状態になるため、動きが止まっていても身体は働き、本当の意味で休ませることができません。

一方、睡眠中は副交感神経が優位な状態になるため、血圧や脈が落ち着き、身体を休ませることができます。

成長ホルモンの分泌促進

睡眠中には、身体の成長や細胞の修復、代謝調整などを促す作用を持つ成長ホルモンが多く分泌されます。

そのため、多く寝る人はこれらの恩恵を多く受けることができるのです。

成長ホルモンは均等に分泌されるのではなく、寝始めの第一周期(寝付いてから約90分間)に一番分泌されます。

この成長ホルモンは、大人になっても細胞の修復などを行い、加齢を防いでくれます。つまり、アンチエイジング ホルモンでもあるのです。

免疫力の向上

睡眠を取れないと、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きが悪くなります。

日本人は必要な睡眠が取れていない人が多いため、「免疫力の向上」と表現していますが、元々睡眠を取っていれば、十分な免疫力が見込めるはずなのです。

また、十分な睡眠が取れていないと、ワクチンや薬などを服用しても効果が出にくいことも実験で証明されています。

記憶定着や整理

睡眠中にはその日に起きたことを保存してくれます。

同時に記憶の整理も行いますので、記憶の定着にも大いに関係します。

学生や受験生によくフォーカスされるメリットですが、大人であっても記憶力はとても重要ですよね。

長く覚えておきたいことや、自身の記憶力を上昇させたい方は、十分な睡眠を取り、記憶を定着させましょう。

太りにくい身体作り

十分な睡眠を取ることで、肥満になりにくい身体を作ることができます。

花王ヘルスケア食品研究所と早稲田大学スポーツ科学未来研究所の共同研究によって、十分な睡眠時間を取らないことで、食欲抑制ホルモンの減少空腹感の増加があり、食欲増進への影響があることが分かりました。

つまり、十分な睡眠を取ることで、食欲そのものを抑えることに繋がり、太りにくくなるということです。

また、よく睡眠を取ることで肥満の解消に繋がるわけではないことが分かっています。あくまでも肥満の予防ということですね。

精神面が安定する

睡眠には不安感やストレスが減ることも知られています。

不安感やストレスが多い状態で活動をするとミスを誘発することに繋がり、さらにストレスが増す可能性があります。

ストレスを感じるとそれを突き詰めて解消することも大切ですが、その前にしっかり睡眠を取って気持ちをリセットさせることも大切なのです。

頭と心がスッキリし、ストレスの原因やその解消法など、思わぬひらめきがあるかもしれませんね。

良質な睡眠を阻害するものを知り、回避しよう

人間は、私生活を便利に過ごすために、現代になるにつれて良質な睡眠を阻害する物を身の回りに置くようになりました。

では、どのような物が睡眠を疎外しているのでしょうか。

外敵の接近は”音”で回避していた

私たちの祖先は、自分たちの身を守るため音や光に敏感だったことが分かっています。睡眠時の外敵に当たる動物の接近や身の危険は、音を頼りにその身を守っていました。

現代に生きる私たちは携帯や目覚まし時計のアラームで目を覚ます人が多いですが、音での目覚めは、急激に血圧を上げることになるので、あまり良い目覚めではありません。

また、目を覚ますタイミングに限らず、睡眠中に騒音を耳にすることも良質な睡眠を阻害することに繋がるのです。

入眠前の光は睡眠を阻害する

哺乳類の誕生は今から2億年前と言われており、生物を含めた哺乳類の長い歴史の中で、光のない夜間は「眠る時間」でした。

その中で、私たちは「朝日で目覚め、夕陽で眠くなる」という仕組みをプログラムされています。

生態学としては、視床下部にある視交叉上核(SCN)という部分に光があたり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまうことが原因です。

眠る前にTVやPC、スマートフォンを眺めると、脳が昼間(覚醒すべき時間)だと判断し、入眠に入りづらくなるのです。

睡眠中の”圧力”は身体を苦しめる⁉︎枕は400年前に生まれていた

睡眠中に寝返りを打つ人は多いでしょう。寝返りは身体にかかる圧力を軽減させるために人類が生み出した画期的な手法なのです。

哺乳類は睡眠と覚醒(目が覚めている状態)を繰り返しますが、人類だけ寝返りを行います。これは人間は脳が発達していく過程で頭が重くなり、枕を用いて眠り始めたと考えられています。

また、最古の人類である「アウストラロピテクス」の遺跡の遺体が枕を敷いて眠っていたことから、400年前にも枕が使われていたことが分かりました。

枕を使わずに眠ると、脊髄や頭部、肩部に圧力が集中し、血管を圧迫され良質な睡眠に至らないことが分かっています。400年前の人類もそのことが分かっていたのでしょうか…。

睡眠を阻害する物は大きく分けて音・光・圧力の3つ

前章で紹介したように睡眠を阻害する要素は音・光・圧力の3つです。

それぞれを回避することで、人間が本来取ることができる良質な睡眠を得ることができるでしょう。

”音”から回避するための方法

音は睡眠中に耳に入ることで、あなたの脳波を揺らし、良質な睡眠を阻害します。

そのため極論、睡眠前に耳栓をしてしまえば、問題はありません。

しかし、今まで音のアラームで目を覚ましていた人もいるでしょう。

そんな方には、時間をセットし、その時間でライトを店頭してくれる目覚ましライトがオススメです。

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”光”から回避するための方法

睡眠中は特別強い光でない限り認識しないので、あまり意識する必要はありません。カーテンを閉め忘れたり、起きるタイミングではない時に強い光を浴びないように気をつければ、問題ないでしょう。

問題は入眠前です。あなたは眠りに着く前にスマートフォンを覗いてはいませんか?その行為はメラトニンを分泌が抑制され、睡眠の阻害に繋がります。

そのため、入眠前にはスマートフォンを寝具から離した場所におくと良いでしょう。

また、寝付けなかった場合は、暗い部屋の中でスマートフォンを操作のではなく、少しだけ明るい場所に移動してから操作すると、「目が特別強い光」と認識しなくなります。

”圧力”から回避するための方法

地球上に存在する物は重力がかかっているため、あなたが眠っている間にもあなたの血液は片寄ってしまいます。

そのため、人類は寝返りをうつことを覚えたわけですが、実はあなたの知らない間にその寝返りにストレスがかかる睡眠環境を作り出している可能性があります。

また、睡眠中の寝返りはある種、生理的な現象であり、寝返りが多ければ多いほど睡眠の質は下がりやすくなるのです。

次章からは身体にかかる圧力を効率よく分散し、寝返りの回数を減らすことで睡眠の質を高める寝具について解説します。

【結論】寝具は好みの差が大きい

睡眠はあなた自身の心理状況によって大きく左右します。例えば、仕事でストレスを抱え込んだまま入眠すると、そのことが脳内を駆け巡り、寝苦しい夜を迎えることになるのです。

そのため結論からお伝えすると、お好みの寝具を使うことが睡眠の質を保つ上では一番良い選択なのです。

例え、仕事で大きなストレスを抱えたとしても、お気に入りの寝具で入眠することでそのストレスを軽減することにもつながります。

そこで今回は、おすすめな寝具を紹介するのではなく、寝具それぞれの機能についてご紹介しますので、あなたにあった寝具を試してみてください。

”枕”の種類と特徴

枕は基本的に材質によって分類されます。それぞれの特徴を以下の表にまとめたので、確認しみましょう。

天然/人工 材料 特徴
天然 そばがら 通気性や吸湿性に優れる。余分な熱は外に逃がす。
羽毛・フェザー 水鳥の羽から採取。洗通気性が良く、吸湿・保湿・発散性に優れるが天然素材なので高価。
ヒノキ 天然ヒノキのそざいであり、独特の匂いが癒し効果となり眠気を誘う。
エステル(綿) エステル繊維の中に空洞がある素材。繊維が絡みづらく、綿ぼこりも出づらい。
ウール 羊の毛。一般的に球場に加工され復元力も高いが熱がこもりやすい。
ラテックス 天然ゴムで、一般的に高反発枕に使われる。柔らかさと高い反発力、通気性が良い。
シルク 蚕の繭(まゆ)をわた状にして作られる。吸湿性が良く繊維が長いがへたり易い。
人工 パイプ・ストロー 通気性が良い。耐久性が良く素材の寿命も長いが反面、人工材料のためゴツゴツ感がある。
ポリエステル わた状の人工繊維。使用しているうちに、弾力性が失われる。
低反発ウレタン 低反発で力が分散される。寒いと硬くなり、熱いと熱がこもりやすく蒸れる。
空気枕 ビニル素材の中に空気を入れ膨らませる。携帯性に優れるがビニルが湿気を通さないので蒸れる。

参考:枕と睡眠の科学 著:久保田博南  五日市哲雄

今、現状どのような枕を用いているのか、上記の表に参考にしてみてください。

また枕カバーにもコットン生地の物やタオルケットの物などがあります。圧力や身体とは関係がありませんが、こだわったカバーを用いる

”敷き布団”の種類と特徴

敷き布団は柔らか過ぎると身体が沈み、脊椎が曲がった状態になりますし、逆に硬過ぎると身体の凸部に圧力が集中してしまいます。

また、保湿性・保温性などを考えると、どの素材も捨てがたいのが実情です。以下に敷き布団に用いられる素材とその特徴をまとめました。

素材 用途 特徴
羊毛 保温性、保湿性に優れ、身体にも馴染み易い。群れにくく式布団にも、かけ布団素材にも向いている。
木綿 従来から日本で使用されてきた素材、独特のかたさ・感触がある。
低反発ウレタン 身体の圧力を均等に分散するため身体が痛くなりにくい。特殊な加工が施せる
水(温水) ウォーターベッド。マットないの水の浮力により身体の凸部に対する圧力を分散させ、毛細血管ないの血液の流れを妨げず、痺れを発生しない。防腐剤による手入れや温調機の故障などの場合にはメンテナスが必要。

参考:枕と睡眠の科学 著:久保田博南  五日市哲雄

近年、人気を集めているのはウォーターベッドです。

しかし、重量がかなり重かったり、防腐剤や温調機などのメンテナンスに手間がかかったりしますので、気軽に手を伸ばすのは控えたほうが良いでしょう。

”掛け布団”の種類と特徴

掛け布団は軽いことが最重要事項です。重い方が安心するという人もいるかもしれませんが、身体を上から押さえつけられている状態になるので、安眠や良質な睡眠を取りたい人にはお勧めできません。

以下に掛け布団に用いられる素材とその特徴をまとめました。

素材 用途 特徴
羽毛 水鳥の羽を原料とし、保温性に非常に高い。アイスランドアイダー羽毛は際高級品として約300万円のもの存在する。
羊毛 保温性、保湿性に優れ、身体にも馴染み易い。群れにくく式布団にも、かけ布団素材にも向いている。
木綿 かけ布団はやや重い。従来から日本で使用されてきた素材、独特のかたさ・感触がある。
真綿 蚕糸を原料とし、絹と同様に繊維が補足、長く、柔らかい高級品。軽く、吸放湿機能に優れるためオールシーズン使う肌掛けなどに適している。
合成繊維 水・石油・石炭などが原料でポリエステルが主流。洗浄しやすく清潔に保つことができる。

参考:枕と睡眠の科学 著:久保田博南  五日市哲雄

掛け布団が軽量であることを考えると、やはり羽毛布団が良いでしょう。保温性や保湿性も高いため、より安眠をとることができます。

しかし、価格も高くなります。手入れなども加味して考えると合成繊維でできた掛け布団も捨てがたいですね。

睡眠は人生の1/3を占める重要な要素

今回は、良質な睡眠を取るとどのようなメリットがあるのか、そして良質な睡眠を阻害している3つの要素を紹介しました。

また、その中でも寝具で調整可能な”圧力”に注目し、安眠と良質な睡眠の取れる寝具の素材も併せてご紹介しました。まとめると、以下の通りです。

良質な睡眠を取るメリット
  • 身体の疲労回復
  • 成長ホルモンの分泌促進
  • 免疫欲の向上
  • 記憶の定着と整理
  • 太りにくい身体作り
  • 精神面の安定
良質な睡眠を阻害する要素
  • (騒音・アラーム)
  • (TV・スマートフォン)
  • 圧力(高さの合っていない枕・硬い敷き布団・重い掛け布団)
”音”・”光”・”圧力”を回避する方法
  • :目覚ましライトを使う
  • :手が届かない場所にスマートフォンを置く
  • 圧力:自身に合った寝具を探す

睡眠は人生の1/3を占める重要な時間です。覚醒時(起きている時)に目を向けることも重要ですが、睡眠にも意識を向けて生活をしてみてはいかがでしょうか。

あなたの残りの睡眠時間がより良質なものになることを願っています。

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