「絨毯の種類って何があるんだろう?」「絨毯の種類が色々あってわかりにくい」と困っていませんか?
せっかく何年も使う絨毯を購入する際には、どんな絨毯の種類があるのか把握した上で最も気に入ったものを買って快適に過ごしたいですよね。
そこで今回は、絨毯の種類について、3つの視点から徹底解説していきます。
この記事を最後まで読んだあなたは、絨毯に詳しくなり、自分に最適なものを見つけることができるようになります。ぜひ最後までご覧くださいね。
絨毯・カーペット・ラグ・マットの違い
まずは、絨毯の種類を紹介する前に、絨毯・カーペット・ラグ・マットの違いを明確にしておきましょう。これらの違いは「大きさ」の違いによって決まります。
定義 | 大きさ | 敷き方 | |
絨毯 | 床敷物全般を表す総称 | 3畳より大きい(床をカバーする大きさ) | 床全面に敷いている |
カーペット | 絨毯と同じ | 3畳より大きい(床をカバーする大きさ) | 床全面に敷いている |
ラグ | 3畳未満の床敷物 | 1~3畳くらいのもの | 部分的に敷く(置く) |
マット | 1畳未満の床敷物 | 1畳未満 | 部分的に敷く(置く) |
今回は基本的に「絨毯の種類」として解説していきますが、カーペット、ラグも同じように分けられると考えてください。
絨毯は製法・素材・テクスチャーで姿を変える
一言に「絨毯の種類」と言っても、様々な角度から種類を分けることができるのが絨毯です。
この記事では以下の3つの観点から、絨毯の種類分けと、それぞれの特徴を紹介していきます。
- 製法による違い(刺繍式、手織り、機械織り)
- 繊維(素材)の違い(天然繊維、化学繊維)
- テクスチャーの違い
これを読めば、ごちゃごちゃした絨毯の種類がスッキリとわかり、それぞれのメリットデメリットまで理解することができますので、是非最後までご覧ください。
製法によって絨毯の種類は大きく3つに分けられる
まずは製法による種類分けから解説していきます。一般的に絨毯の分類といえば製法による違いを指します。
製法による違いとして主に「刺繍式」「機械織り」「手織り」の3種類があり、その中でさらに細かく名前がわけられます。主な種類は以下にまとめました。
刺繍式絨毯 |
|
機会織り絨毯 |
|
手織り絨毯 |
|
次の章からは、「刺繍式」「機械織り」「手織り」の順でそれぞれの特徴を紹介していきます。
毛足の刺し込み方で分かれる 刺繍式絨毯の種類

刺繍式とは、ベースの布にパイル(毛足)を植え込んでいく製法で作られた絨毯のことを指します。
耐朽性は1~3年と比較的短いですが、手ごろな価格で、よく見かける絨毯の多くは刺繍式です。
タフテッド
裏側にグレーのフェルトが張られていることが多く、絨毯の中で一番多い種類がタフテッドです。
大量生産が可能なため、価格も手ごろで庶民的な絨毯の種類と言えるでしょう。
フックドラグ
ベースの布にあらかじめ柄を描き、その柄に沿って一本針の電動フックガンを使用してパイル(毛足)を刺し込んで製造するものがフックドラグです。
素材・デザイン・毛足の長さなど幅広い対応が可能で、織物よりも価格が抑えられるため様々なところで使用されています。
織機で分かれる 織物(機械織り)絨毯の種類

刺繍式に比べて耐久性が高く、高級な絨毯が織物で、その中でも機械織りと手織りに分けられます。
ここで紹介する機械織りは、手織りに比べると耐久性に劣りますが、手織りに比べて量産でき、価格が抑えられるのが特徴です。
ウィルトン織り
手織り絨毯の風合いを機械織りで再現した絨毯がウィルトン織りです。織りの密度も高く模様が繊細なのが特徴となっています。
耐久年数は5~10年と耐久性もあるため、ホテルなどの宴会場などにも使用されます。
アキスミンスター織り
アキスミンスター織りはウィルトン織りに似ていますが、アキスミンスターの織り機は数がかなり少なく、絨毯自体も希少性が高いです。
高密度で耐久性があり、高級絨毯の代名詞としてホテルや会館などでも使われています。
伝統的な技法が魅力 織物(手織り)の種類

絨毯の中で最高級が手織りの絨毯です。密度が高く丁寧に織られているため、耐久性が非常に高く、世代を超えて使用できるのが特徴です。
伝統的な手法と技術が用いられた絨毯は、工芸品・芸術品としても価値があります。
ペルシャ絨毯
ペルシャ絨毯は毛織絨毯の最高峰で、多彩なデザインと緻密で繊細な織りが特徴です。
素材としてはウールとシルクの2種類があり、ウールは耐久性に優れ色持ちが良く、シルクはキメが細かく独特の光沢があります。
産地はイランやトルコが有名で、特に有名な工房で作られたペルシャ絨毯は織りが細かく、非常に価値が高いものとなっています。
ギャッベ絨毯
贅沢な装飾品として発展したペルシャ絨毯の一方で、生活の実用品として使われてきたのが「ギャッベ」や「キリム」です。
ギャッベは、イランの南西部のザクロス山脈一帯に住む遊牧民によって織られている 「毛足の長い絨毯」で、ペルシャ絨毯の原型でもあります。
ウール100%のギャッベは、夏には湿度を吸って毛はしっとりと、乾燥した冬にはふんわりと暖かな肌触りになります。
日々の生活の道具であるため、遊牧民族の素朴な生活がデザインの元になっており、人間味にあふれた温かみが人気の理由でしょう。
キリム絨毯
キリムは、イラン・トルコ・アフガニスタンなどの遊牧民によって織られてきた「平織りの絨毯」です。
ギャッベとは違い毛足がなく薄手であるため、ソファや壁などの装飾品としても活躍します。
デザインは華やかな色合いと幾何学模様が特徴で、裏表が同じ模様でリバーシブルになっています。
中国緞通(段通)
中国段通とは、厚くどっしりとした重厚感と、浮彫加工、大柄の花の模様が特徴です。
その名の通り中国で生まれた伝統的な種類で、工芸美術品としても愛用されています。
その気品ある高級感と優れた実用性から、格式の高いホテルのロビー等に使用されることもある絨毯です。
絨毯に使われる繊維の種類(天然繊維編)

続いて、絨毯に使われる主な素材について紹介していきます。ライフスタイルや好みに適する素材を選ぶためにも、素材ごとの特徴を把握しておくといいでしょう。
- ウール(羊毛)
- コットン(綿)
- シルク
- リネン
- アクリル
- ナイロン
- ポリプロピレン
- ポリエステル
まずは天然繊維から紹介していきます。天然の繊維は化学繊維に比べると質感がよく、耐久性もあり、高級な素材です。
ウール(羊毛)
天然素材で高価なウールは人体にも優しく、人気の高い素材と言えます。
特徴は、「夏は涼しく冬は暖かい」という快適性の他、吸音性、染色性、吸湿性、汚れにくさ、難燃性、クッション性、保温性に優れた性能をもっています。
欠点としては、天然繊維ということもあり虫やカビに侵されやすいので、多くの場合は防虫加工を施しています。
コットン(綿)
衣服などでもなじみが深いコットンは、快適な肌触りが特徴です。
天然素材の中では価格も安く、絨毯の素材として高い人気を誇っています。
縮みやすい、しわになりやすい、日光で変色しやすいなど、配慮が必要なのがデメリットです。
シルク
なめらかな肌触りと美しい光沢が特徴的なシルクは、非常に高級な素材として知られています。
中国段通やペルシャ絨毯など、手織りで最高級品の絨毯に使用されます。
リネン(麻)
リネンは通気性が高く、シャリっとした質感で、涼しい印象のある素材です。
通気性がよく、熱を逃がしてくれるため、夏場に使用する絨毯にはピッタリです。
絨毯に使われる繊維の種類(化学繊維編)

続いて、化学繊維を紹介していきます。化学繊維は天然繊維に比べて安価で、管理が楽な素材です。
アクリル
ふっくらとしたやわらかさがアクリルの最大の特徴で、強度、光沢、保湿性なども非常に優れています。
無駄毛が出ることが唯一の欠点ですが、絨毯に適した優秀な繊維と言えるでしょう。
ナイロン
ナイロンは強度が非常に高く、水、薬品、油、カビや虫害を受けない耐久性も特徴です。
この後説明するポリプロピレンやポリエステルなど、他の化学繊維と比べるとコストは高いですが、その耐久性の高さから歩行量の多いホテルや施設に使われています。
ポリプロピレン
ポリプロピレンはナイロンと同様に強度に優れ、大量生産が可能なため安価な繊維であることが特徴です。
吸湿性がなく、堅い感触で肌触りもあまり良くはないことがデメリットで、価格重視の繊維と言われています。
ポリエステル
実用性に非常に優れており、摩擦に強く、しわになりにくく、染色性も良く、価格も安く、最も多く使われている化学繊維がポリプロピレンです。
扱いやすい素材で、デメリットはほぼないと言ってもいいでしょう。最近では技術の進化により、”ウールっぽい””コットンっぽい”などの表現も上がっています。
毛足だけでこんなに変わる テクスチャーの種類

続いては、テクスチャー(毛足の種類)について説明していきます。刺繍式の絨毯ではパイル(毛足)の違いによってさらに種類がわけられます。
- シャギー
- ループ
- シェニール
- モケット
先ほど紹介した素材と、今から紹介する毛足によって、絨毯の質感が決まりますので、是非読んでみてください。
シャギー
毛足の長いのがシャギーの特徴。”ふわふわ””もじゃもじゃ”とした質感の絨毯です。
毛足が長いため、毛先の流れによって表情が変わるのも魅力の1つとなっています。
年中通して活躍しますが、冬場はとくに暖かく、快適に過ごすことができますよ。
ループ
毛先を丸めてループ状にしたのがループタイプで、ふわふわなシャギーとは異なり、手触りは”ツルツル”となめらかな絨毯です。
適度な硬さが特徴で耐久性があり、人がよく通る場所や、椅子をよく動かす場所に適しています。
シェニール
ループと同様に毛足を丸めていて、太く柔らかい起毛を使用しているのがシェニールの特徴です。
手触りは柔らかく、毛足が短いため、生地自体が薄く夏に活躍するタイプの絨毯です。
ループと違い柔らかい糸を使用しているので耐久性は低く、摩擦の多い所での使用は控えるといいでしょう。
モケット
モケットは短い毛足と高い密度で、繊維がきめ細かくなめらかな質感が特徴です。
電車やバスの座席の肌触りに近い、なめらかで”サラサラ”とした質感の絨毯です。
快適な生活に役立つ 絨毯の種類まとめ
今回は絨毯の種類について、「製法による分類」「素材による分類」「テクスチャーによる分類」の3つの視点から解説してきました。
- 主に「刺繍式」「機械織り」「手織り」の3種類がある。
- 刺繍式が最も大量生産されており、手織りは最も希少で高級
- 主に「天然繊維」「化学繊維」の2種類がある。
- 天然繊維は質感が良く、化学繊維は大量生産が可能で安価
- 主に「シャギー」「ループ」「シェニール」「モケット」の4種類がある。
- それぞれ耐久性、質感、活躍する季節に特徴がある
以上、絨毯の種類を徹底解説してきました。最後までお読みいただきありがとうございました。