オフィスや商業施設などで使われる「タイルカーペット」ですが、近年は一般家庭でもよく使われる人気アイテムとなっています。
タイルカーペットに興味を抱いているあなたは、「どのような種類があるのか」「どうやって使うのか」など様々な疑問を抱えているのではないでしょうか?
そのような疑問を解決するべく、本記事ではタイルカーペットの特徴や貼り方について徹底的に解説していきます。この記事を読めばタイルカーペットのイメージがより膨らむのでぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/インテリア-家具-カーペット-4178197/)
タイルカーペットのメリット
非常に使い勝手の良いタイルカーペットには以下のような3つのメリットがあります。
タイルカーペットの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
- 汚れても手入れ・交換がしやすい
- 機能性が高い
- デザインも作りやすい
汚れても手入れ・交換がしやすい
普通のカーペットの場合、汚れが付着してしまったら丸ごと水洗いしなければいけません。しかし、タイルカーペットなら、汚れた1枚だけを取り出して、洗うことができます。
サイズがコンパクトなので取り扱いが楽ですし、干すスペースに困ることもありません。
また、汚れがひどくて買い替えになった場合でも、1枚だけで済むので金額を抑えることが可能です。
機能性が高い
タイルカーペットの中には、防火性・遮音性などの機能がついている商品があります。マンション暮らしでも、階下に伝わる音が気になりません。
また、家具によるへこみや傷から床を守ってくれます。原状回復しなければいけない賃貸でも、安心して生活できるでしょう。
自分好みのデザインを作りやすい
タイルカーペットの1辺は40〜50cmほどであり、複数を組み合わせて床に敷きます。
ですので、数種類を購入すれば、自分だけのデザインを作成することも可能です。
外側は濃い青、内側は柄物というように、デザインも自由自在!自分好みの床になることでしょう。
タイルカーペットのデメリット
良いことづくしのタイルカーペットですが、もちろんデメリットもあります。
- 湿気が溜まりやすい
- 隙間を埋めるのが大変
- 生地が硬い
湿気が溜まりやすい
タイルカーペットには、湿気が溜まりやすいというデメリットもあります。
湿気が溜まると「カビ」が発生する恐れがあるので、定期的な換気や除湿器で湿度をコントロールするなど湿気対策が必要です。
心配な人は、防カビ仕様の商品を選ぶと良いでしょう。もし、お気に入りのデザインに防カビ仕様がない場合は、新聞紙を下に敷くと湿気対策ができます。
隙間を埋めるのが大変
床一面に敷くことが多い、タイルカーペット。ですが、数cm分足りないことはよくあります。
その場合、タイルカーペットを切って、隙間を埋めなければいけません。隙間が何cmなのかを測り、カットするのが面倒という人にとってはデメリットといえるでしょう。
生地が硬い
通常のカーペットや絨毯に比べると、タイルカーペットは硬いことが多いです。クッション性を求めている人にとってはデメリットと言えるでしょう。
感触が気になる方は、サンプルを請求してチェックするのがおすすめです。
とは言え、タイルカーペットほど自由度が高く多機能を持った床材はないので、上手く活用しておしゃれな空間を演出したいところです。次の章ではタイルカーペットの種類について解説します。
タイルカーペットの種類
タイルカーペットには様々な種類がありますが、大きく分けると「家庭用」と「業務用」の2種類に分けられます。
それぞれ特徴が異なるので、自分にとって使い勝手の良い方を選択すると良いでしょう。
家庭用のタイルカーペット
家庭用のタイルカーペットは、誰でも簡単に貼り付けられるように裏面が「吸着面(接着面)」となっています。
尚、吸着面は繰り返し使える仕様になっているので、初めて使う方も安心して設置することができます。
基本的には40cm角や50cm角のサイズが多く、女性の方でも簡単に施工することが可能です。業務用よりも表面素材が柔らかくて肌触りが良い傾向にあります。
業務用のタイルカーペット

業務用のタイルカーペットは、住宅・オフィス・ホテルなど使用する場所によって様々な種類があり、サイズは50cm角のものが多いです。
歩行の多い場所にはナイロン素材を使った「重歩行用」・歩行の少ない場所にはポリプロピレン素材を使った「中歩行用」のタイプが使用されます。(重歩行用の方が耐久性が高く、コストも高い)
家庭用よりも耐久性が高い傾向にありますが、ボンドや両面テープを使って貼り付けるため設置する難易度が高くなります。
タイルカーペットの素材
この章ではタイルカーペットに使われる素材について解説します。タイルカーペットの素材は、大きく分けると以下の4種類に分けられます。
- ポリプロピレン:最もコストが安く軽量かつ摩擦に強い・耐久性、吸湿性、弾力性が低い
- ナイロン:最も耐久性・耐摩擦性にも優れている・コストが高い
- ポリエステル:水に強くシワになりにくい・吸湿性が低い
- ウール:天然素材で肌触りが良く保湿性も高い・遊び毛が多くコストが高い
タイルカーペットは“コストが高い=良いカーペット”という訳ではなく、使用する環境に適しているかのが最も重要です。
どの素材も一長一短なので、タイルカーペットを選ぶときは素材の特性ついてもしっかりと確認しておきましょう。
また、上記のような素材の特性に加え、タイルカーペットには様々な機能が備わっています。次の章ではタイルカーペットが持つ機能について解説します。
タイルカーペットの機能
多くのタイルカーペットには快適に過ごすための工夫が施されており、以下のような様々な機能が備わっています。
- 坊ダニ加工
- 防汚加工
- 防臭機能
- 防炎機能
- 遮音機能
- 制電機能(静電気の発生を抑制)
- スムース加工(ゴミや埃が取れやすく肌触りが向上する加工)
自由度の高さ・デザインの豊富さが注目されるタイルカーペットですが、機能が充実していることも人気を集める理由の1つでしょう。
尚、製品によって機能は異なるので購入前に製品情報も確認しておきましょう。次の章ではタイルカーペットにどのようなデザインがあるのか解説します。
タイルカーペットのデザイン
様々な組み合わせを楽しめるタイルカーペットは、大きく分けると4種類のデザインがあります。
- 無地
- 柄
- ストライプ
- パターン(模様)
一般的には「無地」を使う方が多いですが、柄・ストライプ・パターンを駆使して素敵な空間を演出する方も増えてきています。
「コーディネートに自信がない」という方は、空間の雰囲気や色味に合わせることで全体のバランスが取りやすくなるでしょう。
尚、タイルカーペットはホテル・オフィス・商業施設など様々な場所で使われているので、1度よく見てみると参考になります。
次の章では踏み心地や耐久性に関わるパイル(毛足)の種類について解説します。
タイルカーペットのパイルの種類
タイルカーペットのパイル(毛足)は、大きく分けると以下の3種類に分けられます。
それぞれのパイルによって特徴が異なるので、使用場所や用途に合わせて選択してみてください。
ループパイル
ループパイルはパイルの形状がループ状になっており、耐久性に優れた特徴を持っています。
弾力性がありへたりづらいので、ダイニングや子供の遊び場など人が多く集まる場所に適しています。
カットパイル
カットパイルはパイルの毛先を切り揃えたタイプで、肌触りが柔らかい特徴を持っています。
寝転ぶのにも最適ですが、やや耐久性に劣るのであまり物を置かない場所や人の出入りが少ない場所に適しています。
毛先がカットされていてペットの爪が引っ掛からないので、ペットを買っている方にはおすすめです。
カット&ループパイル
カット&ループパイルは「ループパイル」と「カットパイル」の両方を取り入れたタイプです。
耐久性と踏み心地をほどよく持ち合わせているので、家庭用に使うのにもおすすめのタイルカーペットです。
2つのパイルを活かして凹凸や柄を強調したデザインもあるので、部屋にアクセントを加えたいときやおしゃれな空間を演出したいときにも適しています。
タイルカーペットの貼り方の種類
先程タイルカーペットの「デザイン」や「素材」について紹介しましたが、「貼り方」でデザインを変えられるのも特徴の1つです。
タイルカーペットの貼り方には以下のような5つの種類があります。
- 流し貼り:パイルの方向を合わせて貼る方法・つなぎ目が分かりにくくなる
- 市松貼り:パイルの方向を交互に貼り合わせていく方法・目地が目立ちにくくなる
- ランダム貼り:パイルの方向を気にせずに貼る方法・独特な模様で演出できる
- レンガ貼り(ブリック・ブロック貼り):レンガのようずらして貼る方法・帯状の模様で演出できる
- アシュラー貼り:縦方向にずらして貼る方法・タイルや模様のつなぎ目を分かりにくくなる
最もポピュラーな貼り方は「市松貼り」で、初心者の方でも簡単におしゃれな模様を作ることができます。
尚、インテリアショップ「Fine」のサイトでは上記の貼り方(各模様)の写真を掲載しているので、そちらを参考にして頂ければよりイメージが湧きやすいかと思います。
タイルカーペットの貼り方の手順
タイルカーペットの特徴について理解を深めたところで、タイルカーペットの貼り方について紹介します。
ラグのように部分的に使う場合と全体的に敷き詰めて使う場合とでは少し作業内容が異なります。
- 掃除機や濡れ雑巾などで床面を綺麗にする(濡雑巾を使ったらしっかりと乾かす)
- タイルカーペットを敷き詰める(敷き方の順番は特になし)
- 軽く掃除機をかけて完成
- 掃除機や濡れ雑巾などで床面を綺麗にする(濡雑巾を使ったらしっかりと乾かす)
- 中心または隅の方からタイルカーペットを敷き詰める
- 残りの隙間に合わせてタイルカーペットをカットして貼り付ける
- 軽く掃除機をかけて完成
全体的に敷く場合は壁際の調節が必要となり、中心線を引いて中心部から貼り付ける方法と部屋の隅から順々に貼り付ける方法の2つのパターンがあるようです。
以下の店舗サイトでは写真・イラスト付きで施工方法を紹介しているので、そちらを参考にして頂ければより綺麗に貼り付けることができるでしょう。
- タイルカーペットの貼り方(部屋の隅から貼る場合はこちら):日本絨毯株式会社
- タイルカーペットの貼り方(部屋の中心部から貼る場合はこちら):RESTA(リスタ)
人気の床材「タイルカーペット」について まとめ
今回はタイルカーペットの特徴や貼り方について紹介しました。少し情報が多くなってしまったので、ポイントとなる部分を簡単にまとめてみます。
- タイルカーペットには手触りが良い「家庭用」と耐久性が高い「業務用」の2種類がある
- 化学繊維の素材が多く、各素材によって耐久性やコストが異なる
- 製品によって機能が異なるので購入前には要確認
- 貼り付けた後は湿度のコントロールが必要
- 貼る前にはしっかりと床面を綺麗にする
- 全体的に敷く場合は中心部から敷く方法と隅から敷く方法の2種類がある
- パイルの向き・タイルの貼る位置を変えるだけで部屋の印象も大きく変わる
タイルカーペットの特徴を理解したあなたであれば、より素敵な空間を演出することができるでしょう。
タイルカーペットでコーディネートも楽しみながら快適な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
