間接照明を使うとなると、「どこを照らせば良いのか」「どうすればおしゃれな空間を演出できるのか」とテクニックについて気になる方も多いかと思います。
また、間接照明を取り入れたけど「イメージ通りに演出できない」「見栄えがあまり良くない」という方もいるのではないでしょうか?
この記事では、部屋をおしゃれに演出する間接照明のテクニックを5つ、よくある失敗事例を3つ紹介します。簡単に取り入れられるテクニックですので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/アパート-アーキテクチャ-1822409/)
直接照明と間接照明の違い

間接照明のテクニックを紹介する前に、まずは直接照明と間接照明の違いについて紹介します。
改めて直接・間接照明がどのようなものかを認識することで、それぞれの個性を上手く使い分けられるので、イメージにより近い空間を演出できるようになります。
直接照明
直接照明とは、光源が直接見えている照明を指し、代表的なもので言えば「シーリングライト」「ペンダントライト」などが直接照明に分類されます。
直接照明は、手元や床面をダイレクトに照らすので、部屋全体をより明るく見せることができます。
間接照明
間接照明とは、シェードなどで光源を包み、光源が直接見えない照明を指します。また、目に触れない所に光源を設置し、壁や天井などを照らすことも間接照明と呼びます。
反射光によって間接的に部屋を明るくするため、陰影を作りやすく、おしゃれな空間を演出できるのが特徴の1つです。
間接照明で得られる効果

続いて、間接照明がどのような効果をもたらすのかについて紹介します。間接照明は、部屋の雰囲気やインテリアをおしゃれに見せるだけではなく、他にも様々な効果を生み出してくれます。
- 光のグラデーションによって空間が広く見える
- 柔らかな光からリラックス効果を得られる
- 光源が隠れているため、柔らかな光で落ち着いた空間を演出できる
直接照明だけでは味気ない部屋になりやすいですが、間接照明を上手く取り入れることで、より落ち着いた空間を生み出すことができます。
次の章からは、間接照明の具体的なテクニックについて以下の順に紹介していきます。
- 間接照明の代表的なテクニック①コーブ照明
- 間接照明の代表的なテクニック②コーニス照明
- 今すぐできる間接照明の基本テクニック①部屋の隅を照らす
- 今すぐできる間接照明の基本テクニック②光を分散させる
- 今すぐできる間接照明の基本テクニック③光源を隠す
間接照明の代表的なテクニック①コーブ照明
この章からは、間接照明の代表的なテクニックを2つ紹介していきます。まず紹介するのは、ホテルのロビーや寝室などでもよく見かける「コーブ照明」というテクニックです。
コーブ照明とは、折り上げ天井の中に照明器具を設置し、光を天井に反射させる間接照明のテクニックです。
コーブ照明は、「光源が視界に入りにくい」「反射により光の強さが和らぐ」という特徴もあり、空間全体を柔らかな明るさで包み込んでくれます。
柔らかな光は心を落ち着かせる効果があるので、リビングや寝室など落ち着いた雰囲気を出したい場所には特におすすめなテクニックです。
間接照明の代表的なテクニック②コーニス照明
続いて、間接照明を取り入れる際によく使われる「コーニス照明」というテクニックについて紹介します。
コーニス照明とは、壁面に光を反射させて空間に柔らかな明るさと陰影を生み出すテクニックです。
この柔らかな明るさと陰影のバランスによって、部屋に立体感が生まれるので、空間をより広く感じられます。
また、コーニス照明を取り入れることで部屋の明暗がくっきりと分かれるので、よりムーディーな空間を演出できるのも特徴です。
今すぐできる間接照明の基本テクニック①部屋の隅を照らす
代表的なテクニックを紹介したところで、誰でも簡単にできる間接照明の基本テクニックを3つ紹介していきます。
1つ目のテクニックは、照明で部屋の隅を照らすことです。部屋の隅を照らすと陰影を作ることができ、立体感を生み出すことができます。
陰影や立体感のある空間は、実際の空間よりも広く見える視覚的効果があるので、奥行きや空間の広がりをより感じられます。
ソファーサイドや部屋の隅に間接照明を取り入れる際は、圧迫感のない「フロアランプ」がおすすめです。
今すぐできる間接照明の基本テクニック②光を分散させる
2つ目のテクニックは、光を分散させることです。間接照明を配置する際は、部屋全体のバランスを考えることが非常に重要です。
照明が一点に集中していると、その部分だけが強調されて浮いてしまうので、適度に光を分散することを意識してみましょう。
例えば、部屋の隅に「フロアランプ」を配置し、机やシェルフにコンパクトな「テーブルランプ」を置くのも良いでしょう。
配置する際は、高さの高いもの・低いものを織り混ぜて、照明の高さを均一にしないのがポイントです。こうすることで空間に奥行きを感じやすくなり、雰囲気のある居心地の良い空間を作ることができます。
今すぐできる間接照明の基本テクニック③光源を隠す
3つ目のテクニックは、光源を隠すことです。間接照明は、光源である電球が見えてしまうと見栄えが悪く、部屋の印象も悪くしてしまいます。
最初からシェードなどで隠れていれば気にする必要はありませんが、中には電球がはっきりと見える照明器具もあります。
このような照明器具を使う場合は、視界に入りづらい場所に設置するなど光源を目立たせないようにする工夫が必要です。
また、観葉植物・インテリアパネル・テレビ台などの裏に配置して、照明器具自体を隠すのもテクニックの1つです。
間接照明でよくある失敗事例
間接照明のテクニックについて理解を深めたところで、よくある失敗事例を3つほど紹介します。
間接照明を取り入れる際に重要となるポイントなので、より良い空間を作るためにもしっかりと頭に入れておきましょう。
光源が反射して見えてしまっている
前章で紹介したように、間接照明を取り入れる際は光源を隠すことが重要です。しかし、照明器具自体を隠しても、光沢のある床やガラスに反射して光源が見えてしまう場合があります。
このような場合は、光源の位置を調整したり、反射を抑えられる光源に変更したりすることで問題を解消できます。また、床やガラスの素材を反射しにくいものに変更するのも方法の1つです。
生活感のあるものを照らしている
意外とやってしまいがちなのが、壁や天井を照らすときに生活感のあるものを照らしていることです。
例えば、「エアコン」「カレンダー」「コンセント」などが照らされていると、部屋の良い印象が台無しになってしまいます。
照明の角度も大切ですが、間接照明を取り入れる際は、光が綺麗に伸びるように何もない面を確保することも大切です。
カットオフラインが出ている
せっかく間接照明を取り入れても、光の明暗の差が線となってくっきりと出てしまうことがあります。(この現象を「カットオフライン」と言います。)
間接照明のポイントは柔らかな光であり、光のグラデーションを作ることが重要です。カットオフラインが出てしまうと、光のグラデーションを壊してしまい、部屋の印象が悪くなります。
照明の角度・場所が悪いとカットオフラインが出てしまうので、照明を配置する際はこまめに調整を行いましょう。
直接照明とのバランスも大切
部屋をおしゃれに見せてくれる間接照明ですが、壁や天井に光を反射させるため、どうしても明るさは直接照明よりも暗くなります。
また、間接照明だけで構成すると寂しげな印象となってしまい、生活していく上では暗過ぎると感じてしまう方もいるでしょう。適度な明るさを保つためには、直接照明とのバランスを図ることも大切です。
例えば、リビングなら「シーリングライト」「ペンダントライト」などの直接照明で一定の明るさを保ち、そこに「スタンドライト」「テーブルランプ」のような間接照明を加えると良いでしょう。
このようにすれば、程良い明るさを保ちながらおしゃれな部屋を演出できます。より落ち着いた部屋にしたいなら「電球色」、明るく活動的な部屋したいなら「昼光色」に近い色味を選択するのがおすすめです。
使用用途によって部屋の明るさ・色味を変えたい方は、「調光」「調色」の調節機能が付いた照明器具を選択しましょう。
間接照明のテクニックまとめ
今回は、間接照明の代表的なテクニック・基本テクニックを合わせて5つ紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- 壁や天井に光を反射させ、光の強さを和らげる
- 部屋の隅を照らし、陰影を作って部屋に立体感・奥行きを生み出す
- ワンポイントではなく、光を分散させて視界を全体に向けさせる
- よりおしゃれな雰囲気を作るためにしっかりと光源を隠す
紹介したテクニックを意識すれば、部屋の印象が大きく変わり、よりおしゃれな空間を演出することができます。
照明を配置する際は、間接照明だけを意識するのではなく、部屋全体のバランスを意識すると良いでしょう。
